静電気の説明イラスト静電気試験とは、EMC(電磁環境適合性)に関する試験の一つで、帯電した人体からの静電気放電(ESD試験:Electro Static Discharge)に対する機械や装置の耐性を評価する試験です。静電気放電については、ほとんどの方に経験があると思います。降車時やドアノブに触れた途端指先との間に「パチッ」と来るあれです。静電気は、物体がこすれ合った時などに発生し易いことから、衣服を沢山着込み、空気が乾燥している冬場に発生しやすく、注意が必要です。

この静電気は、非常に高い電圧(数百V~数KV)を持っています。故にこれが電機製品や電気・電子機器の内部(基板上の電子部品など)に流れ込んだとき、回路の誤動作や電子部品の破壊といったトラブルの原因になります。私達は、日頃何も気にすること無く色々な電機製品に触れ、操作していますが、様々な機械や製品に対して上記の「パチッ」を経験している方も少なくないと思います。ところが、電機製品に誤動作や故障が生じること無く普通に使えていると思います。これは、電機製品のメーカーの技術者が、静電気放電に対する試験を充分に行い、対策を行っているからです。

静電気放電による耐性については、「IEC 61000-4-2IEC:国際電気標準会議)」という国際規格において、どの程度の静電気放電に耐える必要があるのかが示され、日本では「JIS C 61000-4-2電磁両立性 4-2 部:試験及び測定技術静電気放電イミュニティ試験」として規格化されています。

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