工業技術センターでは、空気中でも安定して「低いエネルギーの光」を「高いエネルギーの光」に変換する「光アップコンバージョン」フィルムを開発し、特許を取得しました(特許第6429158号)。
この技術成果は、英国化学会誌「Molecular Systems Design & Engineering」(http://dx.doi.org/10.1039/C8ME00041G)に掲載されています。
【概要】
これまでにも「光アップコンバージョン」という現象は報告されていましたが、一般的には、液体中や半固体など空気に触れない状況下で起こる現象であったため、実用化が難しい技術でした。
工業技術センターでは、ポリビニルアルコールフィルム中に「光アップコンバージョン現象を起こす材料」を閉じ込め、独自の技術でフィルムを伸ばすことにより、空気中でも安定して光アップコンバージョン現象を起こすフィルムの開発に成功しました。
この技術は大面積化が可能なことに加え、大気中で容易に作製が可能であり、将来的には、太陽電池や省エネフィルムなどへの応用が期待されます。
今回の成果は、工業技術センターの研究開発事業「コア技術確立事業(平成29〜31年度)」で得られたものです。工業技術センターでは、今後も県内産業が将来的に必要とする技術の開発を進めてまいります。
2019年01月09日