工業技術センターでは、戦略的研究開発プラン事業(平成16~18年度)において、和歌山らしさを持つ酵母の探索を実施し、世界遺産に登録された熊野古道・中辺路地域にて、清酒醸造に適した酵母を発見しました。この酵母は、「古道酵母」と命名され、現在、県内において、醸造用酵母として利用されています。
 食品開発部では、コア技術育成事業「微生物の育種技術の高度化」において、酒造用酵母の改変に取組んでおり、この度、古道酵母に吟醸香である「カプロン酸エチル」を高生産させることに成功しました。新規古道酵母は、「KODO.ec159株」「KODO.ec162株」と命名し、令和2年7月30日付で制定された「微生物分譲制度」のカタログに掲載しました。これらの株は、これまでの古道酵母の7倍以上のカプロン酸エチル生産能を有している一方で、酢酸生成能は、3分の1程度まで減少しております。新規古道酵母を用いることで、地域特性と嗜好性を併せ持つ、新たな清酒の開発が期待できることから、是非ともご利用いただければと思います。

分譲に関するお問合わせ先

和歌山県工業技術センター(和歌山市小倉60)
 電話:073-477-1271 FAX:073-477-2880
 食品開発部 藤原(ふじわら)、吉村(よしむら)