工業技術センター（森一化学技術部長、西山主査研究員、藤井副主査研究員、齋藤副主査研究員、鳥飼総括研究員、花坂主査研究員、小石主査研究員*）による論文が英国王立化学会の学術雑誌「Reaction Chemistry & Engineering※」誌に掲載されました。
*現在 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）イノベーション推進室
論文タイトル
Biphasic nucleophilic aromatic substitution using a microreactor under droplet formation conditions
文献情報：React. Chem. Eng., 2021, 6, 720-725.
論文のリンク先
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2021/re/d1re00014d#!divAbstract
著者
Hajime Mori*, Yasuhiro Nishiyama, Akira Fujii, Akane Saito, Hitoshi Torikai, Toshiaki Hanasaka and Hideyuki Koishi
研究の概要
工業技術センターでは、将来的に県内産業の新たな発展に貢献できる「コア技術」の一つとして、「マイクロリアクターによる新規化学プロセスの構築」に関するテーマを実施してきました。その中で、マイクロリアクターの特徴の一つでもある高い混合効率を活かした反応系として、２相系での芳香族求核置換反応の検討を行ってきました。今回の検討では、既存の混合器をベースに工夫して作成した充填型混合器を用いて、２相間の接触面積が高くなる微小液滴形成条件で反応を行いました。その結果、従来のスラグ流（2相が交互に流れる状態）と比べて反応が効率的に進行することを見出しました。また溶媒を工夫することで、目的物がほぼ定量的に得られる条件も見出すこともできました。
本手法は、芳香族系化合物類の簡便な官能基変換反応として期待されます。
※「Reaction Chemistry & Engineering」：英国王立化学会が発行する論文誌で、2016年に発刊。反応の効率向上などに主眼が置かれており、マイクロリアクターに関する論文も数多く報告されている。最新（2021年）のインパクトファクターは「3.441」。
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2021年04月14日
