令和4年8月27日にナレッジキャピタル カンファレンスルームで開催された超異分野学会 大阪大会2022において、工業技術センター(赤木主任研究員、髙辻副主査研究員)によるポスター発表がユーグレナ賞を受賞しました。
 併せて大会当日に行われた特別企画 Knowledge Manufacturing Ignition(ナレッジ・マニュファクチャリング・イグニッション)において、赤木主任研究員らのグループがフォーカスシステムズ賞を受賞しました。

ポスター発表タイトル

生餌となる水生ミミズの培養

研究の概要

工業技術センターでは梅干し加工場の排水処理施設において、密度500万個体/㎡かつ13kg/㎡という大量のウスベニイトミミズの発生を確認しました。自然界でもこれほどの高密度状態は珍しく、本事例を参考にすれば、水生ミミズの大量培養システムを開発できると考えました。今回、安全な生餌としてこれらのミミズを提供する方法を検討しました。

ウスベニイトミミズの卵包から幼体をふ化させ、寒天培地上で様々な餌を用いて成長させました。その結果、酵母を餌とした場合に効率的に成長することを確認しました。また、酵母ベースの食品廃棄物である酒粕、焼酎粕についても検討したところ、酵母と同程度の成長効果が得られました。
水生ミミズの生態についてはこれまで殆ど解明されておらず、今回の取組による成果は、産業利用への足掛かりになると考えています。

今後は、ウスベニイトミミズや他の水生ミミズについて、それぞれの生理的特性を明らかにすることで効率的な培養方法を確立し、産業利用に結び付けたいと考えています。

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