工業技術センターの藤井主査研究員、馬場副主査研究員、西山主査研究員(現県成長産業推進課主任)、化学技術部長 森の共著による論文が、日本化学会が発行する英文の科学学術雑誌「Bulletin of the Chemical Society of Japan」に掲載されました。
発表題目
掲載誌
Bulletin of the Chemical Society of Japan
<概要>
この研究では、重曹などの炭酸水素塩を「固体のCO2源」として活用し、有用な化学物質を効率的に合成する方法を開発しました。
重曹を加熱してCO2を発生させ、2-アミノベンゾニトリルと反応させることでキナゾリン-2,4-ジオンを合成することに成功しました。また、炭酸水素塩を使い、プロパルギルアルコールと銀触媒で室温反応させることで5員環環状カーボネートを合成できました(ただし脱水が必要)。特に炭酸水素アンモニウムは少量で様々な化合物の環化反応に利用でき、高収率で付加価値の高い化学物質を生成できることが分かりました。
この研究は、従来のガス状CO2の代わりに扱いやすい固体CO2源を使用することで、より安全で効率的な化学合成法を実現した重要な成果です。
2025年07月04日