工業技術センターの森智博主任研究員、齋藤副主査研究員(元)、増田主査研究員、竿本企画総務部長、森岳志主任研究員による論文が、アメリカ化学会の「ACS Applied Optical Materials※」に掲載されました。
【論文タイトル】
Transparent Projection Film Based on Light Scattering by Polyacrylate Nanoparticles Formed in Poly(vinyl alcohol)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsaom.5c00170
【概要】
県工業技術センターでは、第三期コア技術確立事業(次世代光制御フィルムの開発)として、映像投影に用いられる透明ディスプレイの開発を進めています。
本研究では、ポリビニルアルコール樹脂中に形成するポリアクリレートナノ粒子の形状や分散状態を制御することによって、透明性と光拡散性を両立した透明プロジェクションフィルムの開発に成功しました。光散乱に寄与するナノ粒子の高い分散性を利用することで、高価な無機材料や金属材料を使うことなく、従来より高い投影性能を達成しました。
透明プロジェクションフィルムは、デジタルサイネージやヘッドアップディスプレイ等の画像表示装置に応用が期待されています。特に、美術館や博物館の屋内展示を引き立たせるデジタルアートや景色を楽しめる各種窓ガラスを使ったプロジェクションマッピングに利用できます。
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※ACS Applied Optical Materialsは、2023年に新しく創刊された雑誌で、光学材料の応用研究を中心に取り上げています。近年、アメリカ化学会のAppliedシリーズの注目度は高く、数多くの論文が投稿されています。本研究分野の更なる発展が期待されます(2 Year Impact Factor 2024: 3.8)。
2025年07月29日