現在では、「3Dプリンター」という言葉も、そう珍しいものではなくなってきており、何かしらの「立体物を作成する装置」という認識を多くの人が持っていると思います。

では、具体的に3Dプリンターにはどういうメリットがあるでしょうか?

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例えば、製品企画の大まかなアイデアや、課題解決のための具体的な構造などを人に説明したい時、文章やスケッチなどでは伝わりにくいと感じることは多いと思います。こうした場合、平面上の図や絵ではなく、立体的な試作が必要となりますが、皆さんは自分が考案した形状や機構をどういう方法で作成しますか?作りたい物によっては自分で作ることが困難なものもありますし、作るために多大な労力が必要になるものも多いと思います。

具体的な例としてプラスチック成型品について考えてみます。プラスチックの語源はギリシャ語のプラスティコスで、「形づくる」という意味があります。身の回りのプラスチック製品を見てもらうと、どれも複雑な形をしており、同様の形を作ることはそう簡単ではないと感じると思います。

実際、プラスチック成型品を製造するためには金型が必要で、この金型の作成には多額の費用と数ヶ月単位の時間が掛かります。多額の費用と時間を割いて、失敗はできません。

こんな時3Dプリンターを利用することで、作りたい形を、詳細に、早く、大きなコストを掛けずに、試作品を作成することができます。試作品を手に取って、形状やサイズ感はもちろん、構造や機構のチェック、使い易さなど、十分検討した上で、金型作成を進めることができます。また、発案者自身も3Dプリンターモデルを手に取ってみることで「改善点が見えてきたり」、「考えがまとまったり」ということは典型的な3Dプリンターあるあるです。

工業技術センターでは、3Dスマートものづくりラボを設置しており、3Dプリンターをはじめ3次元CADやCAE、産業用X線CTなど、各種機器を整備していますので、製品開発の際や、生産合理化などに、是非御活用ください。