工業技術センターの赤木主任研究員、高辻副主査研究員(現:退職)、山際主任研究員による論文が、日本水産学会誌(早期公開版)に掲載されました。

「ウスベニイトミミズMonopylephorus rubroniveusの飼育に適した餌の検討」

(Search for a suitable diet for the culture of Monopylephorus rubroniveus)


概要

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当センターでは、工場排水などの処理効率化・汚泥削減を目指した「パイル担体を用いた汚泥減容化システム」の研究を行う中で、活性汚泥槽に大量発生する水生ミミズ(ウスベニイトミミズ)の有用性を見出しました。ウスベニイトミミズについては、生態が殆ど知られていないため、当センターでは、その生態の解明や有効活用について研究を進めています。

本論文の研究では、ウスベニイトミミズを飼育するための効果的な飼料について検討しました。ウスベニイトミミズに排水処理場の汚泥を与えたところ、4週間後の体長は孵化したての稚虫の5.4倍、体重は26.6倍に成長しました。
汚泥に代わる他の原料を検討した結果、酵母は汚泥と同程度の増殖率、増殖速度、生存率を示しました。また、酵母を主成分とする食品廃棄物である酒粕や焼酎粕は、ウスベニイトミミズの飼料として利用できることがわかりました。

当センターでの【水生ミミズに関する研究 (一部)】