和歌山県工業技術センターでは、企業の皆様の開発活動支援に向けて、計算機シミュレーション及び機械学習に関連したソフトウェアの導入や活用を進めてきました。今回、スマートものづくりセミナーを開催し、弊所での活用事例に加えて、兵庫県立工業技術センターからも活用事例をご紹介いただきました。

開催日時

令和6年7月19日(金) 13:30~16:00

場所

和歌山県工業技術センター(和歌山市小倉60)
研究交流棟6階 研修室

内容
概要紹介 本セミナーの主旨、導入ソフトウェアの特徴や利用環境などの紹介

事例紹介1

13:35
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14:15

量子化学計算を用いた金属錯体の酸化還元特性の評価
兵庫県立工業技術センター 河野 雅博

量子化学計算を用いて、分子の構造最適化や各種スペクトルのシミュレーションと帰属、分子軌道の描画やスピン密度の解析等、分子の性質に関わる様々な解析が可能です。今回は、金属錯体を酸化還元した際のスペクトルや構造について、計算でシミュレーションした例を実際の分析値と比較しながら紹介いただきました。

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事例紹介2

14:15
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14:55

マテリアルズインフォマティクスの実践に向けた実用的機械学習モデル作成
- 開始剤の開裂エネルギー、ポリイミドの誘電率、高屈折材料など -

化学技術部   森 一

工業技術センターではこれまでに機械学習の例として、基本的な化学物性(沸点、引火点など)の事例を紹介してきました。今回はより実用的な事例として材料物性値等に関する事例について紹介しました。

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事例紹介3

14:55
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15:45

有機合成における機械学習を利用した条件最適化検討

化学技術部  芳井 朝美

機械学習の一つであるベイズ最適化は、最適条件を見つける手法として有用です。今回は、その手法を用いて、有機合成実験における反応条件の最適化検討を行った事例について、一連の利用方法や実験結果を紹介しました。

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15:45
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16:00

全体についての質疑応答等

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    セミナー開催の様子


     本セミナーでは、計算化学と機械学習について3テーマの事例紹介を行いました。それぞれのテーマについて活発な質疑が行われ、当該技術の活用について方向性や課題が感じられる会となりました。今回の講演会には、8機関、11名の方にご参加いただきました。

     また、本セミナーの他にも多数のセミナーや講座を無料で開催し、企業の皆様にとって有益な情報をお知らせするとともに、技術的な支援を実施しています。参加できる人数が限られていますので、お申し込みはぜひお早めにお願いいたします。