和歌山県工業技術センターでは、化成品製造に関わる皆様を対象に化学技術に関するセミナーを毎年開催しております。今回は、脱炭素化社会の実現に向けて「CO2の分離回収・化学変換」に関する研究に関する最新研究について紹介しました。
開催日時
令和6年12月6日(金) 15:00 - 17:00
開催場所
和歌山県工業技術センター(和歌山市小倉60)研究交流棟6階 研修室
及び web配信(Microsoft Teamsを使用予定)
講演内容
「CO2活用/循環を志向したCO2選択的回収技術の開発」
講師:神戸学院大学 薬学部 薬学科
教授 稲垣 冬彦 氏
概要
従来のCO2回収共通課題は、工業排ガスや大気中水分の混入であり、CO2分離時に水加熱分のエネルギーを必要とすることにあります。本学では化学吸収剤としてのアラルキルアミンがCO2吸収選択性を有することを見出しました。これにより水加熱分のエネルギー削減が現実味を帯びています。アミンは親水性、CO2も水溶性ですが、これは疎水性のフェニル基を導入することで逆親媒性に従ってCO2含有アラルキルアミンが自己組織化し、逆脂質二重膜構造を形成する新たな現象の発見によります。本セミナーではその一連の研究に加え、我々の最新の研究を紹介しました。
セミナー開催の様子
本セミナーでは、カーボンニュートラル実現のために、大変重要となっているCO2回収技術について、研究の動向や事例をはじめ、講師が行っている最新研究について、技術の特徴について紹介いただきました。今回、WEBでの参加を含め13機関20名の方にご参加いただきました。
また、このセミナーの他にも多数のセミナーや講座を無料で開催し、企業の皆様にとって有益な情報をお知らせするとともに、技術的な支援を実施しています。参加できる人数が限られていますので、お申し込みはぜひお早めにお願いいたします。
2024年12月16日