県工業技術センターでは、熊野古道・中辺路地域にて採集した古道酵母を改良し、令和2年度に吟醸香である「カプロン酸エチル」を高生産する新規古道酵母「KODO.ec162株」を開発しました。
本酵母を株式会社TOA 和歌山湯浅ワイナリー(湯浅町)に分譲し、新規古道酵母KODO.ec162株を用いたワイン「古道 -KODO - 2024」が販売されることになりました。
背景
県工業技術センターでは、世界遺産に登録された熊野古道・中辺路地域にて、清酒醸造に適した酵母を発見しました。現在は、「古道酵母」として分譲をしており、この酵母を用いた清酒は「熊野紀行」として尾﨑酒造株式会社から販売されています。
令和2~4年には、古道酵母の改良開発に取り組みました。改良した新規古道酵母「KODO.ec162株」は、フルーティなリンゴの様な吟醸香(カプロン酸エチル)を高生産できる特徴を持っています。本酵母を用いた清酒としては、「太平洋 山廃純米無濾過生原酒」(尾崎酒造株式会社)および「車坂KODO.ec162純米酒」(株式会社吉村秀雄商店)が販売されています。
ワインへの展開
新規古道酵母「KODO.ec162株」は、フルーティなリンゴの様な吟醸香と、熊野古道由来という和歌山らしさを併せ持っています。今回初めて、ワインへ活用されることで、和歌山オリジナル酵母の新展開となっています。
今後の予定
本成果は、工業技術センターで実施している和歌山県コア技術確立事業「微生物の育種技術の高度化」で得られたものであり、今後も県内産業の発展に寄与する技術の開発を進めてまいります。
2025年04月16日