センターでは、市場動向や企業ニーズの調査・分析から開発課題を設定し、県内産業の新たな展開に貢献できる5~10年先の技術「コア技術」の開発を行っています。

コア技術の説明図(中)

これら「コア技術」の開発を加速化するため、平成29年度(第一期)から「コア技術確立事業」を起ち上げ、緊急性の高い3テーマの開発に取り組んできました。令和2年度(第二期)からは、新たな3つのテーマについて研究を進めています。

第三期

低濃度CO2の化成品変換技術の開発

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県内化学企業でも取り組むことができるカーボンリサイクル技術の開発を目的として、工場やプラントから排出される排ガス等の低濃度CO2から化成品への返還可能な触媒反応を開発する。
(有機合成、未利用資源)

次世代光制御フィルムの開発

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微細構造を制御することによって、光の透明性や拡散性をコントロールする技術を確立し、より高機能な光制御フィルム開発する。
(有機合成、化学分析・材料評価、未利用資源活用、表面改質)

機能性を有する和歌山産乳酸菌の開発

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機能性と地域性を両立した新規の和歌山県産乳酸菌株を作出することを目的として、和歌山県内の様々な地域資源から乳酸菌を分離し、得られた乳酸菌の機能性を増強するような育種を行う。
(フードサイエンス)

第二期

太陽光アップコンバージョンフィルムの開発

長波長の光(低エネルギーの光)を短波長の光(高エネルギーの光)に変換するアップコンバージョン技術を利用した新たな素材の実用化を目指し、高機能・新機能を有する材料開発に取り組む。
(有機合成、化学分析・材料評価、未利用資源活用)

化成品の生産性向上のための光反応手法の開発

フロー(マイクロ)リアクターによる有機合成技術の開発に取り組む。また、有機合成反応のみならず、関連する触媒開発や後工程である精製過程も連続して行える技術開発を行うことで実用性の幅を広げ、これらの技術を移転していくことで、県内企業における化成品類の高付加価値化に貢献することを目指す。
(有機合成)

微生物の育種技術の高度化

醸造用酵母などの性能を向上させるための育種技術を確立し、付加価値の高い酒類の開発や酵素、機能性物質等の高生産システムの開発につなげる。
(フードサイエンス、未利用資源活用)

第一期

微生物による未利用資源の活用技術の開発

産業廃棄物として処理してきた「食品加工業者の排水中に含まれる資源」から、油脂や燃料などの有価物を生産する技術を確立。この技術を使えば、これまでコストをかけて処理してきた「廃棄物」を、「価値あるモノ」に変換できる。
(フードサイエンス、未利用資源活用)

マイクロリアクターによる新規化学プロセスの構築

巨大なプラントでは採算が取れないような「少量製品」の製造に適した、「小さな反応器(マイクロリアクター)」を使った化成品製造プロセスを開発。高付加価値製品の「少量多品種」製造にシフトしつつある化学業界の、「製造プロセスの効率化」に貢献。
(有機合成・3Dデータ活用)

未利用光の有効活用 ~波長変換材料の開発~

太陽電池などで「従来利用できなかった波長の光」を、「利用可能な波長の光」に変換する技術を開発。この技術を使えば、太陽電池や人工光合成(水素エネルギー製造)の効率を飛躍的に向上させることができ、再生可能エネルギー技術への応用が可能。
(有機合成、化学分析・材料評価、未利用資源活用)